電極の操作テクニック
RFナイフは、一般的な電気メスとは操作方法が異なり、操作テクニックによって組織に与えるエネルギーを変えることが出来ます。水平熱
=
操作速度 × 出力の大小 × 電極のサイズ × 出力モード
周波数
操作速度
組織との接触時間が長いと、凝固力が上がります。
出力の大小
電流の強さが大きいと、凝固力が上がります。
電極のサイズ
組織との接触面積が小さいと、切開力が上がります。
出力モード
RFナイフの波形特性により、凝固力は変わります。
通電タイミング
RFナイフは高い電流密度を維持することで効率的に通電させることができます。モノポーラの場合、組織に接触させてから通電するとエネルギーが分散され反応が鈍くなります。その為、通電のタイミングが重要になり、通電を開始してから組織に接触させることが必要になります。一方、バイポーラの場合は通電をした状態では反対に切開力が発生し組織を切断することがある為、出血点を摘んでから通電を開始します。
モノポーラ
組織に接触する前に通電を始めます。(もしくは、できるだけ軽く組織にあてて通電を始めます。)
組織に押しつけて通電すると、反応が鈍くなります。
バイポーラ
出血点を軽く把持してから通電します。
通電しながら出血点を摘むと、止血しにくいことがあります。
切除操作
ループ電極を使用する場合は必ず通電を開始して組織へ接触させます。組織へ接触した状態では、電極が引っかかり、蓄熱し電極が破損することがあります。
ラウンド型ループ電極
病変に対して、ループ円周の接点を使って少しずつ削ります。
湿ガーゼなどで切除創を冷やしながら行うと、蓄熱を軽減できます。
ダイヤモンド型ループ電極
電極を面で操作し病変を切り取ります。
電極の一辺を病変にあてて薄く削ります。
電極の角で残っている病変を細かく削ります。
切除操作の注意点
病変を鑷子で強く摘んだり、引っ張った状態で切除すると
深く切れすぎて陥凹し創部の治療が遅れ、創痕が凹む原因になります。
電極を組織に押し当てたり、無理に引っ張るように動かすと、組織にループがひっかかり
組織の引きつれや熱損傷の原因になるので注意します。
切開操作
メス先電極に力をかけず、軽いタッチで線を描くように切開します。その際、組織との接触面積を小さくすると切れ味が良くなります。切開と同時に凝固効果を必要とする場合には、メス先電極をゆっくり動かし組織への蓄熱量をコントロールします。メス先電極を組織に押しつけると切開力が低下します。乾燥した水分の少ない組織は湿ガーゼで潤いを与えてから切開します。
切開力優先
電極を垂直にして接触面積を小さくする
↓
より微細な切開
凝固力優先
電極をねかせて接触面を大きくする
↓
凝固力のある切開
※ 悪い例
押しつけて切開すると、切開、凝固力が共に低下します。
↓
・切れ味が悪くなる
・出血のコントロールができなくなる
・本体の出力を必要以上に上げてしまうことで熱変性が大きくなる
凝固操作
ボール電極などの凝固用電極は、接触するかしない程度にできるだけ軽く出血点にあてます。その際、軽く接触させた状態で通電した方がより効率的な凝固が可能です。電極による直接凝固が困難な場合には、鉗子などを用いて間接的に凝固します。バイポーラは、出血点を軽く撮んでから通電します。ボール電極
接点を小さくとると、効率よく凝固することが出来ます。
接触面積が大きくなると反応が鈍くなります。
バイポーラ
軽く把持することで、効率よく凝固することが出来ます。
強く把持すると反応が鈍くなります。