【眼科】Case report C 眼科症例紹介
高周波ラジオ波メスを用いた眼瞼下垂手術
菅井 滋先生(菅井眼科麻酔科医院)Please wait while flipbook is loading. For more related info, FAQs and issues please refer to DearFlip WordPress Flipbook Plugin Help documentation.
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はじめに
高齢化に伴い白内障と同様に老人性眼瞼下垂も増加の傾向にある。一般に多く眼科医が手掛けている白内障手術などはほとんど出血と縁がない手術で出血が多い眼瞼の手術はどうしても敬遠しがちである。眼瞼下垂手術も今まではメスや剪刃で行われていたが、出血が多いため切開や組織の剥離操作が難しく組織の同定が困難でなかなか入りずらい手術であった。数年前から炭酸ガスレーザーを使用した手術は出血が少ない事で注目されているが、組織損傷や眼科医が使用する顕微鏡下での操作性の問題がある。今回出血のコントロールができ、炭酸ガスレーザーより組織損傷が少なく且つ操作性に優れた高周波ラジオ波メスを用いた眼瞼下垂手術を行いその有用性を検討してみた。方法
麻酔方法はエピネフリン入りのキシロカインを用いて瞼板結膜側と皮膚浸潤麻酔。手術はすべて眼科手術用顕微鏡下で行った。尚、手術はすべてエンパイアニードルを使用した。切開の動きは血管がある箇所は電極先をゆっくりと動かし組織への蓄熱量をコントロールしながら止血効果をもたせ剥離操作し瞼板を露出する。予め血管が露出している場合はエンパイアニードル電極を傾けた状態で組織に接触させ止血凝固モードにて止血処置を行うことで出血を減らす事が可能である。
動脈性による出血などの止血の際は、鑷子にて出血点を把持し、止血凝固モードにて鑷子にエンパイアニードル電極を直接接触させ間接的にエネルギーを流して凝固する。
結論
高周波ラジオ波メスを用いた眼瞼下垂手術はメスで行う手術より出血が少なく組織の同定が容易であった。また、操作性は眼科医が普段使用している器具類と変わらず違和感はなかった。メスで行っていた手術を比較すると手術時間も大幅に短縮できた。高周波ラジオ波メスの基本原理を十分理解した上で手術を行えば術後の腫脹も少なく創傷治癒も大きな問題もなく有用な手術法と思われた。使用機種:サージトロンデュアル
CUT(純切開モード):13
HEMO(止血・凝固モード):13
菅井 滋先生
【筆者略歴】
1982 年 北里大学医学部 卒業
1982 年 九州大学医学部 眼科 入局
1990 年 県立宮崎病院 勤務
1993 年 九州大学医学部 眼科 助手
1995 年 国立病院機構 九州医療センター 勤務
1997 年 菅井眼科麻酔科医院 勤務
【所属学会】
日本眼科学会
網膜硝子体学会
白内障学会
日本涙道涙液学会
1982 年 北里大学医学部 卒業
1982 年 九州大学医学部 眼科 入局
1990 年 県立宮崎病院 勤務
1993 年 九州大学医学部 眼科 助手
1995 年 国立病院機構 九州医療センター 勤務
1997 年 菅井眼科麻酔科医院 勤務
【所属学会】
日本眼科学会
網膜硝子体学会
白内障学会
日本涙道涙液学会
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