【皮膚科】Case report C 皮膚科症例紹介

サージトロンを用いた静脈湖、目のクマ治療

柴田 真一先生(SSクリニック 皮膚科)
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皮膚外科領域の対象疾患は幅広いのが特徴です。
整容的な側面から、口唇の静脈湖、目のクマ治療を希望される患者さんも少なくありません。
当院で行う静脈湖と目のクマの手術手技について述べます。

静脈湖

老人性血管腫が口唇に生ずる青赤色の軟らかい小腫瘍のとき、静脈湖(venous lake)と呼びます。
下口唇に生じることがほとんどです。この小腫瘍をメスで切除すると、縫合線が赤唇部を超えるため、傷が目立ちます。
静脈湖をサージトロン(モノポーラ)で治療すれば、傷は赤唇内に収まるため、傷は目立ちません。
下口唇の比較的大きな静脈湖です。
静脈湖内に局所麻酔を行い、そのまま腫瘍内の血液成分を吸引します。血液を吸引することで、通電の際に静脈湖を形成する増殖した毛細血管が破壊されやすくなります。
局所麻酔の針で穴をあけた部位に針電極(A3)を挿入します。
凝固モードで通電すると表面が白色に変化しながらしぼんできます。
ある程度しぼんだら通電を終了します。
傷は2~3週間くらいで上皮化します。施術21日後の写真ですが、傷は目だちません。

目のクマ

目のクマ(baggy eyelids)はたくさんの治療法があります。
経結膜的除脂術は侵襲が比較的少なく、確実な効果が得られることから患者満足度の高い方法です。
下眼瞼をひっくり返し、瞼板下方の眼瞼結膜に局所麻酔を行います。
結膜の切開は炭酸ガスレーザーもしくはサージトロンが使われることが多いです。
私は清潔操作の観点から、サージトロンを好んで使用します。
電極は先端がシャープなエンパイアニードル(EE305)を用います。
眼瞼は出血し易いので、凝固モードでゆっくりと切開します。
1~2cm くらい切開します。
切開した結膜をモスキートで広げ、眼窩隔膜を切開して眼窩脂肪を露出します。
下眼瞼の眼窩脂肪は3つのコンパートメントに分かれています。鼻側は取りすぎると、陥凹の原因となるため、中央、外側をバランスよく適正量切除します。
眼窩脂肪は取りすぎないほうが無難です。術中の出血には最大限の注意が必要です。
眼窩脂肪を切除する際はモ スキートでクランプしてから摘出、バイポーラで止血します。眼瞼結膜の切開部は縫合しません。
1 週間ほどで自然に上皮化します。
サージトロンを用いて、ていねいに手術することで、手術直後でも腫れ、皮下出血を目立たなくすることができます。
美容的な側面の高い治療では手術侵襲に特に気を使います。
美容治療を含めた皮膚外科手術で、サージトロンはとても有用です。
柴田 真一先生
【筆者略歴】
平成6年 岡山大学医学部卒業。社会保険中京病院、虎の門病院にて研修
平成12年 名古屋大学医学部附属病院 皮膚科 助手
平成16年 名古屋大学医学部附属病院 皮膚科 講師
平成20年 SSクリニック 開院

【専門分野】
皮膚腫瘍、眼瞼下垂などの手術

【資格】
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
日本皮膚外科学会評議員
 
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